ちば高齢協 平成24年2月27日 第35号
編集発行 
千葉県高齢者福祉施設協会


■千葉県高齢者福祉施設協会  平成23年度第1回ユニットケア部会研修会
日時:平成23年12月15日(木) 会場:ホテルポートプラザちば

去る平成23年12月15日(木)『平成23年度ユニットケア部会研修会』を開催しました。

行政説明

講師 千葉県健康福祉部高齢者福祉課副主幹
   岡田 慎太郎 氏

千葉県に於ける高齢化の進行について、また認知症高齢者の将来推計、特別養護老人ホーム入所申込み者数及び整備数については、5人に1人は65歳以上であり、今後も高齢化率が早いスピードで進んでいく。
また認知症高齢者や、その出現率は年々増加しており、平成23年12月1日現在では、入所申込み者数が18,737床に対し、整備数が20,330床と上回っている現状である。 施設に於ける虐待及び身体拘束の状況では、虐待は身体的なものより、暴言などの言葉の虐待が多いこと、また身体拘束については、減少してきていることがわかりました。
虐待防止の取り組みについては、まずは管理者の意識が希薄であると、施設全体が甘くなってしまう、ということでした。
身体拘束廃止に向けては、施設からの相談事例の解決のために相談員を設置し、どうしたら拘束を改善していけるのか相談できるという事業を行っており、実際に現場に来てくれ、その場でアドバイスがもらえる、というものでした。
その他にも、千葉県に於ける行政への取り組みを解りやすく説明して頂きました。


講義 「ユニットケアの役割とその責務」〜基本と実践〜

講師 日本認知症ケア学会理事・生涯学習委員会委員長
   一般社団法人日本ユニットケア推進センター副会長
   社会福祉法人 幸清会  理事長  大久保 幸積 氏

介護職についている者は、自分や家族・友人が入居しても良い施設にすることを最低限の目標とする、ということをに念頭に置き、ユニットケアの理念、そしてその理念を実現するための手法であるユニットケアについて、そのポイントやメリットなど、とても詳しく講義して頂きました。
ユニットケアの理念である「1人1人の生活習慣や好みを尊重し、今までの暮らしが継続できるようにサポートする」ことを実現していくために、24時間シートを活用することが効果的であるということでした。
24時間シートとは、時間軸があり、日課、意向・好み、自分でできること、サポートの必要なことの4項目を基本としたシートで、しっかり情報収集、アセスメントを行い作成し、それを活用することで、入居者様の望む毎日が送れることや、いつも同じケアを提供してもらえること、またケアの標準化ができることなど、メリットが数多くあることを学びました。
参加者の方より「24時間シートがなぜ必要なのか理解でき、その方に合った生活リズムでケアすることの大切さに改めて気付きました。」「日頃、何故?と感じている部分を解りやすく説明して頂きました。
理由がわかって行動すると、結果が変わってくると思うので、何故?の部分を考えながら伝えていきたいと思います。」などの感想を数多く頂き、理解をより深めることが出来たようです。
また、8時間夜勤の導入について、又環境面についてもわかりやすく講義して頂きました。


グループワーク

助言者 特別養護老人ホーム松戸愛光園
    施設長  西澤 基示郎 氏
    特別養護老人ホームナーシングホーム市川
    村越 洋子 氏 (認知症介護指導者)

参加者を8人1グループとし、各テーマについて、自分の施設で行われている対応を基に情報交換をし、討議をしました。最後に、各グループの代表者が発表しました。

グループワークT 「個別ケアの実践」〜それぞれの施設の工夫〜
グループワークU 「設え・ハード環境」〜暮らしを支える生活環境〜
グループワークV 「求められる人材像」〜スタッフの育成〜


グループワークが進んでいくに従ってたくさんの意見が出てきており、それぞれのテーマについて、他施設での取り組みや、力を入れていることなどを情報交換でき、とても参考になりました。
☆研修後のアンケートでは、この研修の内容についての理解度や、次回に向けての研修内容(今後取り上げてもらいたいテーマ)を挙げて頂きました。
ぜひ参考にさせて頂きたいと思います。


⇒「ユニットケア部会研修会アンケート集計結果」はこちらから(Microsoft Word 41.0KB)


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