平成16年12月25日 第01号
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千葉県高齢者福祉施設協会

 
■ 高齢協事務研修会(宿泊)  平成16年9月27日28日 鴨川館

事務研修会が9月27日、28日の2日間鴨川館において開催されました。養護・特養・軽費・ケアハウスに勤務する事務を担当する職員及び研修会主催関係者を含め、総勢80名が参加した。
研修内容は、下記の講義1〜4まで行われた。
  
  講義T 「年功序列処遇から能力成果処遇へ」
     講師 株式会社 アルファシステム  本社取締役 能勢 眞一郎 氏


介護保険制度の導入により、福祉施設は運営の変革を余儀なくされており、社会福祉事業は人件費の割合が高く、安全な経営の維持が困難な状況になりかねない。そこで、適正な基準に基づいた仕事の評価制度を取り入れることで、職員にとって働きがいのある職場となり、結果として、利用者の方々への良いサービスが提供できるようになるためのものが、新人事制度といわれる人事考課制度である。
研修会の中では、この制度についての具体的な運用の仕方についての説明がされた。

  講義U 「家族、利用者の立場から施設に期待するもの」
  講師 社団法人呆け老人をかかえる家族の会 千葉県支部世話人 副代表 植松 多恵子 氏


講義Uでは、施設を利用する家族の側からみた施設職員の在り方について講義を受けました。大半の施設には、受付や事務という場所が、外部から施設に来園された方が一番先に対面することから、そこにいる職員は「施設にとって大切な顔」であり、まず最初に対面した職員の印象というものが施設全体のイメージをつくり、そこで判断をされる。「とても大切なポジションにいる」ことを認識することと、又、利用者や家族からの不平や不満を受け止めることができる施設でなければ、利用者としての権利は守れない。「看てあげる」ではなく「安心して私たちにお任せください。」といえる福祉施設になろうではないかというお話で締めくくられた。

講義V 「電子メール化完全切り替えに伴う実務」
    
講師 株式会社アスクPC・IT事業部 高橋 麗華 氏

講義Vは、実務編であり千葉県高齢協の文書の電子メール化に伴い、まだ県内の施設で操作方法を把握されていないところもあるということから、実務的に電子メールの使い方、研修会への参加申し込みの方法について資料と映像をもとに説明を受けた。

 講義W 「ユニットケアについて」
    
講師 特別養護老人ホームナーシングホーム市川  介護主任 村越 洋子 氏

講義Wでは、既存施設でのユニットケアを実践されている特別養護老人ホームナーシングホーム市川の村越介護主任さんよりユニットケアについてのお話をうかがいました。
ユニットケアのキーワードは「生活」であり、さまざまな個別性・多様性があり、沢山の価値観の違いに気づき認め合い、活かしあうことが共同での生活や介護の出発点となる。ユニットケアに必要なハード面の特徴としては、@個室(プライベートスペース)Aセミプライベートゾーン(ユニット共用空間の食堂・居間・キッチン)Bセミパブリックスペース(ユニットを超えた社会関係と活動の場)Cパブリックスペース(施設内に地域を呼び込むためのスペー・玄関、ロビー、カフェ他)で構成されている。また、介護面などでは、個別ケアが土台であるということを忘れず、一人ひとりの違いを把握して、相手の立場になって受け止め利用者の方の何かをしようとする気持ちを引き出していくことを、工夫しながら自分の施設にあわせて良いと思うことを改善していく。(例として、食事を一緒にすること。ユニホームを廃止すること。など管理的業務的介護の撤廃)そこには、職員の意識改革と教育も重要になってくるというお話をいただきました
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