ちば高齢協 平成23年12月20日 第34号
編集発行 
千葉県高齢者福祉施設協会



平成23年度給食研修会
日時:平成23年10月12日(水)会場:ホテルポートプラザ千葉

テーマ『栄養管理における再確認』
        講義1「経腸栄養剤の種類と適切選択について」
      非常時の対応・微量栄養素の添加等他
      講師:株式会社 クリニコ 宮内 優和氏


経管栄養剤の合併症として、誤嚥や便秘、下痢の対処法や水分補給方法や回数、経腸栄養の分類や免疫賦活栄養、 静脈栄養法の問題などさまざまな角度から話があった。
また、ロビーではサンプルの商品や経管栄養剤が並べられ皆さんの質問に答えていた。


        講演2「実体験による被災地の食事提供」
      断水解除までの13日間
      講師:特別養護老人ホーム 東風荘 管理栄養士 大木和恵氏

千葉県高齢者福祉施設協会給食委員会のメンバーでもある大木氏が勤務する東風荘は旭市にあり、津波こそまぬがれたものの断水が 13日間も続いたそうだ。市内や施設の被害状況の報告も交えて、実際施設ではどんな食事を提供し対策をとったのか、 そして分かったことの話があった。
「ご入居者様にとっての食事の役割」を改めて実感し、見直すことができたとのことだ。


        〜被災地からの報告・そこから見えてきたもの〜
      『想定外における被災地での栄養士の役割』
      講師:東京ふれあい医療生協梶原診療所 管理栄養士 奥村真理子氏


在宅栄養ケアをされている奥村氏は震災後、災害派遣管理栄養士として、何度も石巻へ訪れいつまでも続く 偏った災害時食から栄養士が入り調査をしたり連携をとることによって食事が激的に変化することを紹介していた。
また災害時の応急対応としてペットボトルで作る吸引機や手づくり流動食なども紹介していた。


        『災害時における「食べること」への対応』
      講師:特別養護老人ホームひまわりの丘 管理栄養士 富松浩美氏

千葉県高齢者福祉施設協会給食委員会のメンバーでもある富松氏が勤務するひまわりの丘では真空調理を導入しています。
5月7,8日の千葉県社会福祉施設経営者協議会の炊き出しでは自施設で冷凍真空調理した煮物を提供。
石巻では震災後初めて口にする食事らしい食事だったようだ。マニュアルを作成し現地の方々自身が 配膳出来るようにし、6月より毎週冷凍真空パックの食事を移送したり、専門職による支援、食のイベント企画を行うなど 災害地での「食べること」支援に取り組んでこられた。
ネットワークの重要性と避難所での栄養管理には行政・医療従事者・管理栄養士の連携、システムの構築が必要と話があった。


        グループワークテーマ 「自施設が災害にあった場合どのようにする」


奥村氏司会のもと各グループ3分ずつ発表しました。
・近隣施設、地域、学生時代のつながり、消防団との連携などネットワークづくり
・備蓄は3日ではなく7日必要か
・備蓄の管理、他職員への周知
・発電機、ガスの普及方法の確立
・水の確保
・電気が使えない時はエレベーター、配膳車が使用不可になるためマンパワーの確保
・職員食の確保
・非常時のマニュアル作成、見直し
他にもいろいろ意見を頂きました。


        まとめ

経管栄養の話と3月の震災で実際災害を受けたり、支援された栄養士さんのお話が聞けるとのことで 今回は146名もの参加があった。
今後の災害時の対応についてマニュアル作成、備蓄量などにについても大いに参考になったではと思われる。


▲印刷する
・会報目次へ戻る