ちば高齢協 平成19年2月25日 第16号
編集発行 
千葉県高齢者福祉施設協会
 

■居宅支援専門員・現任研修会
平成19年 1月29日に、千葉県経営者会館6階大ホール
「居宅支援専門員・現任研修会」が、1月29日に、千葉県経営者会館6階大ホールにて開催されました。 
  今回の研修は、@平成18年4月に改正された介護保険法において、監査事務等の規程の変更が含まれており、制度改正後の監査規程に則した業務のあり方を学ぶこと。A高齢者虐待防止法が施行されたことを踏まえ、その理解を深めること。この2点が大きな目的とした研修会でした。三つの協会に属する会員事業所から県内各地より集い、150名程の参加者でした。
開会にあたり、挨拶は、管理研修委員会の林副委員長(九十九里ホーム山田の施設長)からいただきました。
 
講義1
「介護保険制度の最新情報について」
講師 千葉県健康福祉部保健指導課介護保険室
主査 石井 市枝 氏 

 県内の65歳以上の10パーセントの人が、介護保険サービスを利用しているが、残りの90パーセントは利用せずに保険料のみを払っているだけの状況であり、持続可能な制度とするために、十分な理解が得られる制度としていくことが大切である。       
  昨年4月からスタートした地域包括支援センター県内の設置状況は、平成18年4月に32市町村、平成19年4月に52市町村が予定しており、平成20年4月に56市町村の県内すべてで設置される予定となっているが、全国的に見ると遅れている状況である。                            
  厚労省は、昨年11月に軽介護者の福祉用具貸与の利用状況の調査を実施しているが、県では各保険者から180件ほどの報告を受けている。今年度末までに例外措置としての対応が必要かを、現在検討をしているところである。                             
  介護支援専門員の更新制度において、第1回の試験に合格した人は平成19年度中に更新研修を受ける必要があるため、県として、来年度中に実施予定の更新研修の受講の意向調査を、介護支援専門員に3月までに行なう予定である。 
                      
  最新の介護保険制度についてパワーポイントを用い、ご説明をいただきました。
 

講義2
「介護保険制度における指導・監査等について」
講師:千葉県健康福祉部保健指導課介護保険室
主幹 松尾 晴介 氏
 

  介護保険制度スタート時、1110程であった事業者(営利法人は、380)は、平成18年にはその数3400(営利法人は、1830)となり、全事業者内に占める営利法人の割合が高くなってきている。従来の社会福祉法人・医療法人に対する指導とは異なる視点も必要となり、今回の介護保険法の改正で、介護支援専門員と同様に事業者の更新制が導入され、有効期間(6年)が設けられました。平成12年4月〜平成14年3月に指定を受けた事業者は、経過措置として、平成20年3月までは有効となるが、その前に、集団指導の場で、更新申請の方法をお伝えします。
 
  指導・監査に対する考え方・とらえ方が理解でき、今後の業務にいかしていきたいと思います。
講義3
「介護保険導入下における養護老人ホームの現状と課題について」 
講師:養護老人ホーム長生共楽園
副施設長 坂下 晴美 氏 

 
 平成18年4月1日から、老人福祉法の改正により養護利用者が要介護状態になった時には外部サービスの利用による介護保険制度の適用が出来るようになりました。入所要件の見直しがされたことにより、身体的・精神的用件が削除され、原則として65才以上で、環境上の理由及び経済的事情により居宅で養護を受けることが出来ない人が利用対象者となりました。 同年10月に、特定施設の指定を受け、「特定施設養護老人ホーム長生共楽園」が誕生し、40名程の人がサービスを利用しています。介護認定を受けた人の利用は、可能となりましたので、居宅介護支援を提供している本日の参加者の皆さんも、ケアプランを作成する際の選択肢の一つとして、お考えください。

 長年の高齢者福祉での体験談を踏まえてのご講義でした。

講義4
「松戸市における高齢者虐待防止の取り組みの現状」
講師:松戸市健康福祉部介護支援課介護予防推進担当室 
社会福祉士 宮間 惠美子 氏

 
 松戸市では、高齢者虐待防止法が施行された平成18年4月よりも前に、高齢者虐待防止ネットワークをつくり、警察を始め、法務局や弁護士会、医師会等の各種団体から推薦された方や、市役所の関係部署等により構成されています。今年度の相談種別を見ると、@身体的虐待 A心理的虐待 B経済的虐待 C放置・放任 D性的虐待 の順となっています。虐待に対応する専門職に求められることは、虐待の存在キャッチすることとともに、虐待をしている人をサポートする視点をもつことです。昨年の相談者の25%を介護支援専門員がしめ、ますます介護支援専門員の活躍が期待されています。
 
  先駆的に、高齢者虐待防止ネットワークをつくられた行政期間として、重みのあるご報告でした。
講義5
「地域密着型サービスの現状と課題について」
講師:小規模多機能ホーム・グループホーム ディアフレンドならしの
施設長 杉田 伸 氏
 母体は、医療機関に酸素を卸している東京酸器という会社で、施設としては、高濃度人工炭酸泉の入浴が売りの一つとなっています。言葉としては聞いているものの、まだまだその実情が理解されていない小規模多機能施設は、「通い」を中心として利用する施設で、要介護の様態や希望に応じて、随時「訪問」や「泊まり」を組み合わせてサービスを提供し、在宅での生活の継続を支援していく施設です。その存在を、地域に認められること、馴染みの関係をつくること、を第一に日夜取り組んでいます。 

小規模多機能施設について、たくさんの写真を用いて、わかりやすく説明いただき理解が深まりました。

平成18年4月1日より老人福祉法の改正により養護利用者が要介護状態になった時には外部サービス利用による介護保険制度の適用が出来るようになりました。




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