平成17年4月25日 第05号
編集発行 
千葉県高齢者福祉施設協会

 
■ 平成16年度 相談員研修会(宿泊) 平成17年1月19日(水)〜20日(木) 鴨川館

主 旨
社会保障・福祉制度の抜本的な構造改革や介護保険制度の改正が進められ、老人福祉施設を取り巻く環境は大きく変化しつつある。このような情勢の中、相談員は最新の情報を取得し、プロとしてその変化にどのような姿勢で臨むかを学び、利用者本位のよりよいサービスを提供するために専門性の確率を目指す。
 
 
  参加者: 124名(関係者含む)

テーマ: 『選ばれる施設にするために相談員にできること』

講義T 『どうすれば福祉のプロになれるか』
     講師:日本女子大学人間社会学部 助教授 久田則夫 氏

 講義Tでは、本当のプロならば10年後を見据えて働いていなければならない。それには、人が変えないからいいと言う意識から脱却し、気付いたことから始めることが出来る体制が必要であると謳っている。また、利用者本位サービスの意味を正しく理解されていない現状が多くみられるが、本来は『利用者の最善の利益を保障する』という意味であり、利用者の@安心と信頼A知る権利B必要なサービスを適切な支援を受けながら選ぶ権利C意見、要望、苦情を述べる権利と適切かつ速やかに対応してもらう権利を保障しつつ、支援していかなければならない。それには福祉のプロとして利用者の要求に対して頭ごなしに、すぐ無理ですなどと言うのではなくプロとしての意識を高く持ち努力・模作して質の高いサービスを提供できるよう努め、顧客満足度の得られるサービスが必要となる。 
 また、福祉職場には『マイナスの体質』が蔓延しやすく、放置すると慢性的なサービス低迷状態に陥りやすいという特性があるため、マイナス体質との決別が欠かせない。そのためには@閉鎖的体質からの脱却A相互無批判的体質B課題発見問題解決意識が希薄な体質Cマンネリに陥りやすい体質D固定観念に基づくケアに陥りやすい体質からの脱却が必要不可欠であると説明された。
  
講義U『介護保険制度の改正について』
講師 千葉県健康福祉部保険指導課 介護保険室 副主幹 林武男 氏


今後の介護保険制度の改正に伴う改革の全体像についての説明が行われた。

※詳細につきましては、ホームページを参照下さい。     http://www.pref.chiba.jp/syozoku/c_hoken/index.html

 
 
 
 
講義V『ターミナルケア(安心して死ねるために)』
講師 浅草医師会立訪問看護ステーション  ホスピスケア認定看護師 倉持雅代 氏

 旅立ち『ほとんどの人が自宅で死を迎えていた昔と比べて現代人の多くは病院で死を迎えます。日常生活から死が姿を消してしまったといっていいでしょう。人がどのように弱り、どのように死を迎えるのかに関して、現代人は徹底的に経験不足です。避けられない家族との別れに関してあらかじめ心の準備をしておくことが大切です。』(バーバラ・カーンズより) これを受け、最後に自分がどう死を迎えたいのか、その時どうして欲しいのかを家族で話し合うことが大切であり、それは高齢者施設においてよりよいケアを提供するために必要不可であると説明された。 さらに、患者との係わり合いの中で最も大切な事は相手に寄り添うことであり、心の寂しさが身体の痛みに繋がっていることが往々にしてあるため、職員と利用者でなく、人と人としての関係を構築してください。と説明された。
また、死にゆく兆候についても解り易く、具体的に説明があり、高齢者施設において死を迎えるために普段から一人一人によく目を配り生命の質を高めるようホスピスの精神をもって関わっていって欲しいとのことであった。また、地域包括支援センターに移行していくための戦略として、支援センターが住民にとって身近な場所にあるのか、地域とのネットワークを有しているのか、経験を積んだ専門職員を配置しているのかというポイントが上げられた。
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