平成17年3月25日 第04号
編集発行 
千葉県高齢者福祉施設協会

 
■ 第12回千葉県高齢者福祉施設研究大会 平成17年2月21日 幕張メッセ
2月21日、3協会(千葉県高齢者福祉施設協会、千葉県デイサービス協会、千葉県在宅介護支援センター教協会)主催の第12回千葉県高齢者福祉施設研究大会が幕張メッセで開催されました。

 【のぞまれる生活支援を目指して〜利用者本位のサービスとは〜】というテーマの下に県内各施設から400人あまりの熱心な参加者が早朝から集まりました。介護保険制度の転換期ということもあり、主催者、堂本千葉県知事様、ご来賓の挨拶に続いて行われた千葉県健康福祉部高齢者福祉課長 伊豆敬治郎様からの行政説明に対して、参加者は皆、真剣に聞き入っていました。
 基調講演には、聖マリアンナ医科大学理事長の長谷川和夫先生が立ち、【認知症介護の今とこれから】についてご講演を頂きました。長谷川先生といえば、認知障害測定について標準化した【長谷川式簡易知能評価スケール】があまりにも有名ですが、痴呆症を認知症と名称変更することを提唱したその道の専門家でもあります。
認知症介護の取り組みについては、これからの高齢者介護支援には避けて通れない部分であり、先生の専門的でありながら理解しやすく語ってくれた講演に感銘を受けた参加者は多かったと思います。
 午後からは今回の催しのメインである、各施設からの研究発表と事例検討がありました。第1研究部会のテーマは【サービスの質の向上】です。このテーマは私ども高齢者福祉施設の重要な課題であり、【利用者本位】という今回大会のサブテーマに即した研究テーマでもあります。
身体拘束0に対する取り組みを発表する施設、入浴ケアに関する取り組みをする施設、おむつはずしと自然排便に取り組む施設など、テーマにそって6施設から発表があり、それに対して助言と質問が飛び交いました。
 第2研究部会は【リハビリテーションの充実】をテーマに7施設からの発表がありました。このテーマは今、何かと話題になる介護予防にも通じるものがあります。発表では筋力リハビリだけでなく、学習療法や経口摂取に向けた取り組み、車椅子ダンスなど、幅広い視野からみた機能向上に対するアプローチがなされていました。また、千葉県デイサービス協会 介護予防・地域支援機能検討委員会から広島県 公立みつぎ総合病院の視察研修報告が発表されるなど、地域包括ケアシステム構築に関する最新情報の提供もなされました。
 第3研究部会は【生活機能の活動性の向上】をテーマに6施設から発表がありました。逆デイサービスについての取り組みとその効果について発表した施設あり、在宅の利用者の個別ケア充実について発表した施設あり、個別ケアやクラブなど余暇活動を充実させることにより利用者に変化が現れたことを発表した施設あり、さらには地域ケアネットワークへの取り組みを発表した施設ありと内容も豊富でそれぞれに対して熱心な助言が行われました。
 私達高齢者福祉施設をとりまく制度や環境が急速に変動して行く中でも、各施設は社会のニーズに対応し、利用者本位のサービスを目指しています。それこそが社会福祉施設の使命であり、どんなに制度が変わろうとも変わらない本質なのだと改めて感じた一日でした。

 →講演内容
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